Evil Dolce

* AriaLien Sub BLOG *

◆Evil Dolceは樹野花葉(キノハナハ)の過去の作品を更新しているブログです。
◆不思議要素のある恋愛物語をメインに綴っています。
◆ブログ内の記事・作品の無断転載・コピーを禁じています。

2017年10月

妖精奇譚 7話



「あっ」

だけど久住くんはやっぱり表情を変えずに、再び歩き出してしまった。

私は久住くんを引き留めるために今度は久住くんの手をギュッと握った。

バチン!

「わっ」
「っ!」

また激しい電気が私たちの間に走った。

「…」

この時になって初めて久住くんは私に何か云いたそうな顔を見せたのだった。




私と久住くんは春に初めて逢った公園に来ていた。

久住くんを初めて見た時に座っていたあのベンチに、少し距離を置いてふたりで座った。

「…」
「あの…久住くん」
「──んで」
「え」
「なんで…怖がらないの」
「!」

久住くんが初めて口を開いた。

(声を…)

其の澄んだ声を初めて聞いた。

瞬間

「えっ」
「う…うっ…う…」

私は情けない事に泣き出してしまった。

「ちょ、ちょっと、あの」
「ふぇ…ご、ごめんなさい…なんだか…嬉しくて」
「…」
「ずっと…ずっと久住くんの声、聞きたいって思っていたから…だから今、やっと──って思ったら…」
「…星野さん」
「えっ!わ、私の名前、知ってるの?!」
「…知ってる。クラスメイトだから…みんなの名前だって」
「久住くん…」

あぁ、彼はやっぱりすごく心が綺麗な人だって思った。

初めて声を聞いて…

ほんの少し喋っただけで彼の澄んだ雰囲気に呑まれそうになる。

「久住くんは、本当はこんなにも優しくて柔らかくて素敵な男の子だったんだね」
「…」
「やっぱり私の…好きになった人だ」
「え」

決して雰囲気に呑まれたからじゃない。

「…」

私はずっとずっと云いたかったんだ。

「久住くん…好きです」
「…」

一層大きく目を見開いて私を凝視する久住くんは、やがてフッと私から視線を外した。

「…ごめん」
「え」
「気持ちは…嬉しいけど…僕…」
「嬉しいけど…嬉しいけど何故ごめんなの?」

やっと云えた気持ち。

少しずつ芽生えて大きく育てて来たこの恋心を容易く諦める事なんて出来ない私は、久住くんにピッタリと寄り添って其の綺麗な掌を握った。

バシッ!!

「きゃっ」
「痛っ!」

また電気が走った。

「…久住くん、もしかしてこの…これがあるから人と接触出来なかった?」
「……」
「う、自惚れかも知れないけれど…私の事…好きだけど…これがあるから付き合えないとかって考えた?」
「…」

表情を硬くしながらも久住くんはちいさくコクンと首を縦に振った。

「久住くん…」

(首を縦に振ったという事は…肯定って意味だよね?)

久住くんも私の事が好きだって云ってくれたんだよね?!

(嬉しい!!)

だったら尚更私は久住くんから離れちゃいけないと思った。


ニヤけて崩れそうな表情を何とかしている私を見たり見なかったりしつつ久住くんは静かに話し始めた。

「僕が…神隠しにあった事があるっていう話、知っている?」
「…ごめんなさい、友だちから今日訊いて…知ったの」
「そうか──其の神隠しにあった後から…何故か女性に限って触られると今みたいな現象が起きる様になったんだ」
「女性だけに?」
「あと僕の悪口や厭な事を云う人には何故か災いが起きる様になって…だから僕は…必要以上に人とは関わらない様にして来た」
「久住…くん」

俯きながらボロボロ涙を流す久住くんの姿を見ていたら私は堪らなくなった。

こんなにも人の事を思いやって、人を災いから護るために自分の殻に閉じこもった彼の事が一層愛おしくなった。

だから私はどうしても久住くんを救いたいと思った。


「久住くん、其れはね神隠しじゃないよ」
「──え」
「久住くんは…妖精に会ったんだよ」
「! よ、妖精…?」

私は久住くんにかけられた呪いを解くためにとても大きな決断をしたのだった。

1a10
◆ランキングサイトに参加しています。
其々クリックしていただけると更新の励みになります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

妖精奇譚 6話



 キーンコーンカーンコーン


6時限目の古典の自習が終わってみんな早々に帰り支度をしていた。

「…」

チラッと見た久住くんの席はもう空っぽだった。

「…はぁ」

またか、という気持ちがあった。

いつも久住くんは終業のチャイムが鳴ると同時に教室を出ていた。

今日は担任が休みだからSHRはないけれど、いつもは授業終了後にSHRがあった。

だけど久住くんはいつもSHRが始まる前には教室を出て行ってしまう。

SHRに参加しない久住くんを最初は先生も何かと云っていたけれど、いつの間にか早々に教室を出て行く事が暗黙の了解みたいな感じになってしまっていた。


「由真、今日帰りどっか寄って行かない?」
「あっごめん、私用事があるから先に帰るね!」
「そう…残念」

私は今日一日少し考えるところがあって、今、其れを実行したいとずっと思っていた。

みちるの誘いを断った私は早々に教室を後にした。




人混みをかき分け目的の人を探す。

まだ多分見える範囲にいるはず。

そう思って校門から出て辺りを見渡し慎重に目を凝らす。

(あっ)

手がかりを見つけた私は一目散に駆け出したのだった。



私が初めて久住 緑(クズミ リョク)くんと出逢ったのは高校3年の春。

つまり今年の春。

約二ヶ月前の事だった。

帰国子女の私は初めて日本の高校に入学する事に一抹の不安があった。

緊張のあまり私は物凄い早い時間に家を出て学校に向かった。

だけど一度しか、しかも車でしか行った事のなかった学校までの道のりは中々複雑で、案の定私は道に迷ってしまったのだ。

途方に暮れていた私は其の時、眩い光を見つけた。

大きな公園の緑深いベンチに座っている男の子から発せられていた眩い光。

私は其の光に吸い込まれる様に近寄って行った。

男の子が私の姿を捉えてジッと見た。

其の男の子の瞳を見た瞬間


私は彼に恋をした。


(其の時の記憶は曖昧なんだけどね)


ただ男の子が私の行く高校の制服を着ていたから、道に迷っているという話をして始終無言の彼の行く方向を黙ってついて行って無事に学校に着けたという事だけは覚えていた。

そんな彼と偶然にも同じクラスになれて感激した。

以来何かと彼に話しかける様になったのだけれど、今までに私は彼の声を聞いた事が…話した事がなかったのだった。

(其れはどうしてなんだろう、とずっと思っていたけれど)

今日、みちるから訊いた話で何となく解った気がした。

(久住くん、あなたは私と同じ匂いがするんだ)


「久住くん!」

私は眩い光を放っている久住くんの元に駆け寄った。

私を見て一瞬、ほんの少しだけ目を見開いた気がしたけれど、やっぱり相変わらず無口、無関心な反応だった。

「久住くん、あの…」
「…」

私は何とか久住くんと話す取っ掛かりが欲しくて言葉を一生懸命探していた。

ただ久住くんに追いつきたいという気持ちのまま突っ走って来たから、云いたい事がこの瞬間フッと頭から消えていたのだ。

久住くんはそんな私に構う事なくスタスタと歩いて行く。

「あっ!待って、くず──」

久住くんを引き留めようとして私は咄嗟に久住くんの腕をギュッと掴んでしまった。


其の瞬間


バシィィィ!!

「きゃっ!」
「うっ」

物凄い衝撃が私たちの間に走った。

其れはとても強い静電気を受けたみたいな感覚。

「…」
「…」

私と久住くんはお互い見つめ合った。


(これって…やっぱり…)


この瞬間私はある事を確信したのだった。

1a10
◆ランキングサイトに参加しています。
其々クリックしていただけると更新の励みになります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

妖精奇譚 5話




季節は葉桜を過ぎ、そろそろ夏服に衣替え──という頃だった。

私の目に映る景色はちょっとだけ人とは違っていた。

(あっ!)

そんな視界に一際眩しく映るものが私の心に明るい日差しを差し込ませた。


「久住(クズミ)くーん!」

お目当ての彼を見つけて私は足早に駆けて行った。

「久住くん、おはよう」
「…」
「先刻メールで回って来たんだけど、今日担任の下川先生、休みなんだって」
「…」
「だからきっと古典は自習になるよ」
「…」

(うーん、相変わらず無口だなぁ)

いつもと変わりのない彼の様子に安心していいやら残念やら、色々複雑な気持ちが湧いて来ていた。


「おはよー由真(ユマ)」
「あっ、おはよう、みちる──って、久住くん!」

友だちのみちるに話しかけられている隙に久住くんはスタスタと先に行ってしまった。

「あぅ…失敗…」
「由真、まだ追いかけてるの?久住の事」
「だって…好きなんだもん」
「いい加減諦めた方がいいんじゃない?久住って…ちょっと特殊だし」
「特殊?」
「あ」

みちるは明らかにしまったという様な顔をして私から視線を外した。

「ねぇ、特殊ってどういう事?」
「あーごめん、何も訊かないで!つい口が滑って」
「あのねぇ、其処まで云っておいて訊かなかった事に──なんて出来ると思う?!」
「あぁー本当勘弁して!こっちまで呪われちゃうから~」
「! 呪われるって…」

なんだか物騒な事を云うなぁと思った。






「神隠し?!」
「しーっ!黙って!大声出さない!」
「ご、ごめん」

みちるの意味深発言が気になった私はどうしても知りたい、教えてくれなきゃずっとみちるに付きまとって耳元で『教えてよ』と囁くから、と脅してようやく教えてもらえる事になった。

「本当これ、マジで呪いかかっているからさ…云いたくなかったんだけど…」
「大丈夫!私が呪いからみちるを護ってあげるから!!」
「ぷっ、由真が云うと本当になんとかなりそうだから不思議だね」
「うん、まかせといて!」

ドンッと胸を叩いておどけてみる。

大好きな久住くんの事に関する事ならどんな事をしても訊きたいと思った。

「じゃあ話すね──実はこれ…久住と同中だった子ならみんな知っているんだけど、久住って中1の時に神隠しにあった事があるの」
「…神隠し」
「学校行事の山登り合宿の最中に忽然と姿を消してさ…一緒にいた男子とか先生とかすっごく探したんだけど全然見つからなくて、警察とかも動き出してそりゃもう凄い騒ぎになったの」
「…」
「でも一週間後、いなくなった場所に倒れてていたのを発見されて、怪我とかおかしな所もないっていうんでまぁ一件落着って事になったんだけど…警察が色々調べても事件か事故かも解らないままうやむやになったって感じで。でもどうしたって変でしょ?一週間も何処にいたのか、本人全然記憶がないって云うんだよ」
「記憶が?」
「うん…其れ以来久住の事を気遣って周りは腫物に触る様な態度になっちゃって…久住も何か以前とは性格とか変わっちゃったから余計にみんな戸惑っていたんだよね」
「…」
「で、時間が経つと色々ちょっかいを出してくる馬鹿な男子が出て来る訳よ。神隠しを大げさに囃し立てて、久住の事を危ない奴みたいな感じで騒いでちょっかいを出す奴が」
「酷い…」
「だけどね、そうやって久住の神隠しの件を大げさに茶化したりする男子は…次々に原因不明の事故に遭ってしまったの」
「えっ」
「車に轢かれたり、階段から転落したり、溺れたり、色々。幸い死ぬって事までにはならなかったけどね──以来久住の神隠しの話をすると呪われるって噂が立って、誰も何も云わなくなったって訳」
「…そんな」


初めて訊いた久住くんの過去。

其れはあまりにも衝撃的な話で…


(神隠し…)


其のキーワードに何故か胸がざわついてしまう私だった。

1a10
◆ランキングサイトに参加しています。
其々クリックしていただけると更新の励みになります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

妖精奇譚 4話



シャナンと名乗った妖精は執拗に僕に絡みついていた。


「んんっ、あ、あぁぁっ」
「フぁ…あァン、もット、モっト奥ニ注ぎ込んデェェ」


ほんの数時間前までは初心(ウブ)で性的な事なんて全く知らなかった僕だったけれど、シャナンとの子作りという行為は僕を確実に変えて行った。


「はぁはぁ…ん──」
「やッパり…若イ子っテ体力があルんダネ。イっテモ直グに復活スるヨ」
「…」

いや…

(いくら若いからって限界がない訳じゃなくて…)

現にもう僕のモノからは何も出てこない状況になっていた。


「あ、あの…もう…ちょっと休憩しない?」
「えェーなンデェ?!」
「だ、だってもう…君の求めるものは何も出て来なくて…」
「イイよォ」
「え」

シャナンがチュッと僕にキスした。

「アタシ、精子が欲しイだケジゃナクて…キミとこウイう事スるノ、好キ」
「~~~」

目的がちょっと変わって来ていないか?とも思ったけれど…

其れは僕も同じで…

「…ぼ、僕も」
「ン?」

先刻から沸々と感じていた事を思い切って云ってみる。

「僕も…君と…こういう事するのが…好き、かも」
「…」
「こ、心が…君に…か、傾いている、気がする」
「…」
「──はっ!」

(これじゃまるで告白じゃないか!)

と云ってから気が付いた僕。

(僕はなんて事を──!)

ほんの数時間前に出逢ったばかりの女の子に!

しかも相手は妖精の女の子なのに!

種族からして違うのに僕はなんて事を…

(シャナンは僕の精子だけが欲しいのに…)

子どもを作るのに必要だから…

ただ其れだけで僕とこういう事を──


「…ご、ごめん」

おかしな事を云ってシャナンを呆けさせちゃったなと気持ちが沈んだ──けれど

「アタシもキミが好キだヨ!」
「えっ!」

ギュッとシャナンに抱きつかれてドキッとした。


「アタシ…人間ノ男ノ子はたダノ子ドもヲ作るタメの道具だッテ思ッてイタ」
「!」
「ダッテそウイう風ニ教えラレテ来タかラ。必要なノハ綺麗ナ精子だケ。其れヲ貰ッテ受精シたラもウ必要ナイ。人間ハ元ノ世界に帰シテ…其れッキリ。モぅ一生関わル事ナンてナイんだッテ」
「…え」
「だケド…だけドネ、アタシ、変ナんダ。キミの事…そンナ風ニ思えナクて…受精シてカラだッテズっト傍にいテ欲シいッテ思ッてル」
「…シャナン」

ジッと見つめられ僕の胸は張り裂けそうに高鳴っていた。

「キミが好キで好キデ…こンナ気持チ初メてダヨ」
「シャナン!」

シャナンの其の言葉を訊いた瞬間、もう何も考えられなかった。

僕が今どういういう状況で、どんな目に遭っていて、これからどうなって行くかなんて…

何も考えられなくて…

ただ今は、がむしゃらにシャナンを求める事だけしか考えられなかった。


「ダケど…キミの事、大好キだケド…やっパリ一緒にハいラれナイ」

(え…)

「種族、環境、時間──全テノもノガ違いスぎルヨ」

(なに?)

「だカラね、やッパりキミは、ちゃンとキミの世界ニ戻らナクちゃダメなンダ」

(シャナン──?!)











──最後に思い浮かべたのは誰の名前だったか?








『今月7日の学校行事から行方不明になっていた中学1年生の男子生徒は一週間後、不明となった山中から無事に保護されました。男子生徒に目立った外傷はなく、健康状態も良好との事です。警察による会見では少年は不明時から発見時までの記憶が曖昧で、何処で何をしていたかの詳しい話は未だに訊き取れない状況だという事です』


病室のテレビから流れる声は多分僕の事を云っているのだろうとぼんやり聞いていた。


(……)

あれは一体なんだったのだろう。


何かとてつもない経験をしたような気がするのだけど…


何があったのか僕は全く思い出せなかった。


1a10
◆ランキングサイトに参加しています。
其々クリックしていただけると更新の励みになります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

妖精奇譚 3話



キュゥと女の子の中が締まって僕のモノを絡め取った瞬間、僕は感じたままに精液を吐き出していた。

「あ、あ、あっ…ん…んはぁ──」

ドクドクと止め処なく女の子の中に注ぎ込まれる感覚を僕は女の子の下でただ茫然と感じていた。

「…ふフッ…ア…はァン、気持チいィ~最高、キミ!」
「…」

恍惚とした表情で高らかに叫ぶ女の子の太ももには中に収まりきれなくなって滴って来た僕の精液が垂れていた。

(こんな…これって…赤ちゃんが出来ちゃうんじゃ…)

学校で習った範囲の知識で僕は今、自分が置かれている状況に次第に恐ろしさを感じて来た。

徐々に僕のモノが萎えて、ズルりと彼女の中から抜けた。

「はァン…もウ終わっチャッたカァ」
「…」

女の子は名残惜しさうに僕の萎んで濡れているモノをペロペロと舐めた。

「うっ!」

其の気持ち良さにまたあの感覚が蘇って来た。

「おリョ、まタ硬くなッテ来タヨ」
「!」

女の子の顔がパァと明るくなって、モノを舐める速度を速めた。

「あ、あのっ、ちょっと!」
「あンッ!」

僕は気持ちを奮い起こして、思いっきり女の子をドンッと上からどかした。

「き、君は一体何を…ど、どうしてこんな」
「ふフッ、そッカ…ゴメんネェ、アタシ、ガッつキ過ぎテちャンとキミに状況説明しテなカッたヨネ」
「そ…そうだよ…」

ドキドキと高鳴る胸を押さえながら僕は女の子のあられもない姿をチラチラと見ながら説明を求めた。

「キミはネ、妖精に気に入ラれタンだヨ」
「…」

女の子の発言は僕の予想を遥かに超えた酔狂なものだった。

しばし呆けてしまった僕だったけれど、慌てて頭の中を整理しながら話を続けた。

「え…何?よ…妖精…?」
「そォ、妖精。ツマりアタシは妖精ナんダヨ」
「!」

妖精だと云った女の子は僕に後ろ姿を見せた。

其の背中には小さいながらも薄く七色に光るビニールみたいな羽らしきものが生えていた。


「なっ!ななな…」
「アタシは妖精のシャナン。今ネ、最初の発情期を迎エて子どモヲ産むたメに人間ノ男ノ子の子種が欲しクテ探しテいタとコろダッタの」
「こ、子ども…子種…?」
「妖精ニはネ、男ッテ存在シナいノ。あ、他の種類ノ妖精はどウダカ知らナいケド、アタシの種族ノ妖精には女シカいナイの。ダカらネ、産マれテかラ最初ニ迎えた発情期カらジャンジャン子どもヲ産んで種族を繁栄させナくっチャイけナイんダヨ」
「…」
「其ノたメニハ人間の…年若イまだ女ノ体ニ挿入レタ事のないモノを持ツ心の綺麗ナ少年ノ精子ガ必要ナんダヨ」
「そ…其れって…」
「アタシは子ドもヲ産むたメにキミと交尾しタッて訳」
「!!」


こ、子ども?!


妖精との間に?!


「な…な」

あまりにも現実感のない馬鹿らしい話にどう対処していいのか解らない。

パニック状態の僕を差し置いて、女の子──シャナンは構わずに話を続ける。


「キミを見かケタ時、キミかラ綺麗なオーラを感ジタんダヨね。其れヲ見た瞬間、アタシはコノ子ノ精子ガ欲しイ、こノ子ノ子どモが産ミたイッテ思っタノ」
「…」
「受精出来タらキミをチャンと元ノ世界に帰しテアゲるカラ。ネェ?もウしばラくアタシと子作リシてクレない?」
「…」
「ネ?」

女の子の上目遣いのお願いポーズは壮絶に可愛いかった。

其れに心が綺麗だって云われても僕にだって人並みに性欲とか…ある訳で…

「あ、あの…僕…まだ13歳で…未成年で…其の、子どもの養育費とか親権とか…そういうの本当、全然解らないんだけど…」
「─── へ」
「仮にこ、こ、子どもが出来ても、僕には責任が取れないっていうか──」
「………………ブッ」
「ブッ?」
「あ、アははハハはハはハハハはっ!あ、当タリ前じゃナぃ!キミ、面白いネ!」
「?!」

いきなり大笑いし出した女の子を見て、僕は妙に妖精らしくないなと思ったのだった。


1a10
◆ランキングサイトに参加しています。
其々クリックしていただけると更新の励みになります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

Author
参加しています
週間PVアクセス

    総PVアクセス
    • 累計:

    訪問者人数
    • 今日:
    • 昨日:
    • 累計: