「「なっ!!」」
「あらぁ♪」


(だからお父さんとお兄ちゃんの驚きは解るけれど、お母さんの其の♪マークは一体…)


「長く人間界に居過ぎたせいで多少人間臭くなっているかも知れませんが、一応吸血鬼族としての血は濃いです」

引き続きにこやかに挨拶していく先生。


「本当は今日お宅にお邪魔したのは梨香さんとの結婚を前提とした交際の挨拶が目的でした」
「な、な…」

兄は開いた口が閉まらない状態だった。


そして父はというと──


「…ま…ま…まさか…」


やっぱり父も驚いて表情を硬くしていたけれど、其の表情は兄とは違った驚き方でだった。


「……」

徐々に青ざめていく顔色に加えて小刻みに震えている。


「あなた?どうなさったの」

母も父の異変に気がついて心配そうに寄り添っている。


「お父さん、どうしたの?具合が悪いの?」

私も心配になり父に近づくと、いきなり父はガバッと其の場に平伏した。


「「「!」」」

其の突然の行動に私は勿論、母も兄もビックリした。


「どうなさったの?あなた」
「み、みんな!頭が高い!頭を下げなさい!!」
「へ?」

父が土下座をした格好のまま声を張り上げて私達に叫んだ。


其の言葉の意味が解らず、ただ私は素っ頓狂な声を出すしかなかった。


「ど…どういう事?」
「美紀子、隗、梨香──こ、此の方は…此の方はヴァンポーリュ国の…国王様だ」
「…」
「…」
「…」

状況が飲み込めない私達家族3人はただ呆然としている。


だけど母は直ぐに「あらまぁ、そうなんですか?」と云いながら父に並んで深く土下座した。


多分母は状況を把握していないけど、ただ父にそうしろと云われたからそうしているだけ、という感じだった。


「…な、何…なんだってんだ」
「え…えっ…?」

兄と私だけがまだ狼狽えていた。


すると


「あれ?何か…僕の正体ってバレバレなのかなぁ」


と頭をかきながら母以上に呑気な声で呟いた先生の声が聞こえたのだった。

00a21
◆ランキングサイトに参加しています。
其々クリックしていただけると更新の励みになります。

恋愛ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村