「おはよう、梨香」
「あ、おはよう、ののちゃん」

学校に着くと親友のののちゃんに声を掛けられた。

ののちゃんこと、藍沢 ののは高校に入学してから知り合った友達で、今では一番の仲良しさんだった。



「ねぇねぇ、この間もらったラブレターの返事、どうした?」
「えっ」
「なかなか評判のいい人みたいだよ?」
「なんでののちゃんが知ってるの」
「だってー親友の彼氏になる男子が変な奴だったらシャレにならないじゃない。あるツテを使って調べたよん」
「はぁ…毎回ご苦労様」
「で?で?どうするの?付き合っちゃう?」
「付き合わないよ」
「え、そうなの?んーなかなか手ごわいね、梨香は」
「…」


ヴァンポーリュという世界の吸血鬼は美形が多い。

勿論父も芸能人かモデル並…いやもしかしたら其れ以上に男前なのかもしれない。

其のせいもあって半分とはいえヴァンポーリュの血を引いている私も人間界では美形の類に入るみたいでよく男子からいい寄られていた。

ただ、私には普通に恋が出来ない理由があった──


「おーい、篠宮さーん」
「!」

遠くから聞えた声にドキッとする。

「あ、叶先生が呼んでる」
「そ、そうみたい…ちょっと行って来るね」
「じゃあ先に教室行ってるね」
「うん」

私は高鳴る胸をなるべく押さえながら叶先生の元に向かった。


1階の職員室の窓からチョイチョイと手招きされている。

「ごめんね、こんなところから呼んじゃって」
「いえ…なんですか?」
「篠宮さんって今日日直だったよね。このプリントをみんなに配ってもらえるかな」
「プリント?」
「4時限目の数学、テストするから」
「えっ、テスト?」
「そう、小テスト。で、このプリントにテスト範囲が書いてあるから今からでも足掻く様にとみんなに伝えておいて」
「抜き打ち…じゃないんですね」
「まぁ僕も鬼じゃないんでね。猶予を与えようと思って」
「はぁ…」
「じゃあね、よろしくお願いしまーす」

にこやかな笑顔を残して叶先生は窓を閉めて行ってしまった。

「…」

朝から叶先生と話せたのは嬉しかったけれど…

(テ…テストぉぉぉぉーヤダっ!)



クラス担任の叶 宗助(カノウ シュウスケ)先生。

実は叶先生は私の密かに好きな人、だ。


──でもこの恋心は決して知られてはいけないし、云ってはいけない気持ち


勿論先生だからという事もあるけれど、其れ以外でも私は【彼】以外に恋をする事を禁じられているのだった。


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