『ずっと…す、す、すす好き、でした』
『…』
『今も、好きで…こ、これからもずっと好きで…』
『…』
『よ、よかったらあの…わ、私を…私、を彼女にしてください!』
『…』
『…』
『無理』
『………え』
『女と付き合うとか…無理だから』





「わぁぁぁぁぁぁー」
「!」
こっぴどくフラれた場面を思い出したらまた泣きたい気持ちが盛大に襲って来た。

「やだぁ…やだよ…」
「…」
「諦めるなんて…出来ないよぉ」
「…」

初めて好きになった人。

どうしてそんなに好きなんだって聞かれたって解らない。

カッコいいから──そんな陳腐な理由だけで好きになったんじゃない。

こんなに心から、魂から惹かれた人は生まれてこのかた古城くんしかいない。

「好き…好きなの…」
「…」
「どうしたって好きなの」
「……」
「古城くんしか…私は…」
「──はぁ、仕方がねぇな」
「…え」

隣にいて、ジッと私の喚きを聞いていたけんちゃんがいきなり動いた気配がしたと思ったら、私は私自身が浮いた感覚がして驚いた。

「よいしょっと」
「! な、何?!」

私はけんちゃんにお姫様抱っこされていた。

そしてもっと驚いたのはそっと下ろされたのがベッドの上で、けんちゃんが私に跨った事だった。

「な…何…けんちゃん…」
「…」
「けんちゃ──」

上からジッと私を凝視していたけんちゃんがいきなり私にキスをして来た。

「んっ、んんっ!」
「…」

けんちゃんが私に対してちょっとエッチなスキンシップを取って来た事は何度かあった。

其れこそ先刻の首筋に唇を当てられる事に始まって、胸を揉まれたり、腰に手を回したり、お尻を撫でられたり…

其れ等はけんちゃんなりの私への嫌がらせの一環だとずっと思って来た。

だって今まで今日みたいなふたりっきりの空間に居ても、けんちゃんが本気で私が厭がるような性的な意味合いを含んだ行為はなかったから。

けんちゃんにとって私はあくまでも子分であって、出来の悪い妹分であって、情けないクラスメイトぐらいの存在なんだと思っていた。

私もそうだった。

けんちゃんに恋愛感情は一切ないし、湧かなかった。

血縁関係とか友達関係とか、そんな目に見える、言葉で当てはまるものなんかじゃない、もっと違った意味で深い絆がけんちゃんとの間にはあるのかな、と思っていたけれど…

「け、けんちゃ…や、止め──」
「羽衣、古城なんて止めて俺の女になれ」
「!」

其れは私にとって衝撃の言葉だった。

「な…何云って…」
「おまえは気が付いていなかったかも知れないけどな、俺はずっと昔からお前の事が好きだったんだよ」
「!」
「おまえを苛める事で気を引こうとしていたガキみたいな男なんだよ、俺は」
「…そ、そんな…」

(けんちゃんが私を?)

まさか…そんな事──

「羽衣」
「! あっ」

もつれ合っている間に私は着衣を乱され、けんちゃんの目の前に小ぶりの胸を曝け出す格好になっていた。

「やっ!み、見ないでぇ」
「…羽衣」
「!」

胸に生温い柔らかいものが這った。

「あっ!あっ…」

けんちゃんの舌が執拗に私の胸を嘗め回している感覚。

初めての感覚に先刻から背筋がゾクゾクして堪らない。

「やだ…やだ、止めて…」
「止めない」
「え」

私を見下ろしたけんちゃんの声と顔は、今までのけんちゃんのものとは全然違うものになっていた。

kaben
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