「あ…あん、あっあん」
「はぁ…はぁはぁ」

いつもの様に貪る様に姫様の体を貫く。

ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てて抜き差しする度に姫様の秘所からはねっとりした愛液が溢れた。

「あ…キリ…気持ちいい…あぁん」
「はぁ…俺も…んっ、気持ちいいよ」

キュゥと中が締まって来て俺のモノに絡みついて来る感覚は何度も恍惚感を感じる。

「あぁ…イク…イッちゃう!」
「はぁはぁはぁ…あ、あっ」

ざわつく内壁が刺激となってゾクゾクッと快感が競り上がって来た。

其のまま俺は思いっきり姫様の中に精液を吐き出した。


「ふぁ…あぁ…んっ」
「はぁはぁはぁ」

何度経験しても射精の瞬間は得もいわれぬ快楽だ。

(本当姫様の体…病みつき)


いつもの様に行為が終わり、俺は引き出しから薬を出し姫様に手渡した。

「はい、これ」
「…何?これ」
「え」

いつもと違う反応に驚いた。

「何って…抗生物質だよ」
「抗生物資って…わたし別に体の具合、悪くないわよ?」
「!」

(どういう事?)

「やだなぁ、わたし、具合悪そうに見える?」
「!」

『わたし』?!

(あれ、姫様、いつから『わらわ』から『わたし』って云うようになった?!)

全然気が付かなかった。

「ねぇ霧、わたし外に出てお買い物とかしたいんだけど…」
「…買い物?」
「そう、霧が買ってくれた色んな雑誌の中でファッション雑誌のこの服、可愛いから似たような物が欲しいの」
「…服」

姫様が此処に来てから一度だって外に出たいと云った事は無かった。

俺以外の地球人が怖いからと云ってこの部屋の中だけで充分満足して生活していたというのに…

「ダメ?大学忙しい?」
「…そんな事ないよ、いいよ。買物、行こうか」
「本当?!わぁ、ありがとう!霧、大好き!」
「!」

ガバッと俺に抱きついて来た姫様は、頬や唇にチュッチュとキスをして来た。

(…あぁ…そうか…忘れるってこういう事か)

光の人物が最後のメッセージでそんな事を云っていたなとぼんやり思い出した。

自分の生まれ故郷の星が無くなって、今までの記憶を失うとはどんな気持ちなのだろう。

其れで姫様は幸せなんだろうか?

此処に来た本当の目的…実際には嘘の目的だった訳だけれど

其れ等を忘れ去って、この星で俺と一緒になる事が姫様にとって幸せな事なのだろうか?

考えれば考えるほど、この俺にも明確な答えは出てこないのだった──








「ねぇ、おかしくない?」
「おかしくないよ」
「本当?本当に?!」
「もう先刻から何度訊いているんだよ」
「だってぇ」
「ファーラは其のままでも充分綺麗なんだから気後れする事ないよ」
「霧…」

おでこにチュッと軽いキスをするとファーラはやっと大人しくなった。

今日は初めてファーラを恋人として両親に紹介する日だった。


姫様──ファーラが故郷の記憶を失くしたと気が付いてから数か月。

すっかりファーラは地球での暮らしに馴染んでいた。

俺はファーラが此処で普通に暮らせて行ける為に必要な戸籍や証明書をあらゆる手を使って取得した。

お蔭で日本という国の行政組織は抜け道が多く存在するのだと知った。

俺と同い年の家事手伝いのお嬢さんという肩書で両親には紹介するつもりだ。

(結局両親には騙す事になるのかな?親不幸な息子でごめんね)

だからといって本当の事を話したところで信じてもらえそうにないし、何より両親は人間不信の俺が彼女を作って結婚を考えているという事実に大喜びしているから…

(嘘も方便って事で赦して)

俺は両親に対してそっと胸の中で手を合わせ謝っておいた。







「わぁ、この道路、信号が全然ないね」
「高速道路だからね、信号はないね」
「速い速い!」
「…」

実家がある隣の県まで車で2時間ほど。

ファーラは初めての遠出で相当舞い上がっていた。

「ねぇ霧、わたし【道の駅】っていう処に寄ってみたい」
「道の駅かぁ…じゃあ高速降りたら最初の処で昼休憩しよう」
「わぁ!」
「…」

こんなファーラを見ると、初めて逢った時の印象とあまりにも変わってしまって驚くばかりなのだけれど、でもどうしたって俺はこの今のファーラの笑顔を護りたいと思えて仕方がなかった。


且つては異星の姫君だった彼女は、彼女を想うひとりの男によって其の命を救われた。

俺には其の男の気持ちが痛いほどに解ってしまって…

代わりに俺が彼女を幸せにしたいという想いに溢れていた。

俺に其れが出来るかどうか解らないけれど…

(あぁ…本当ファーラと出逢えた俺は幸せ者かも)

其れが正真正銘俺の素直な気持ちだった。



ひとりの天女がこの星に来臨した事によって人生を救われた人間が此処にもいたのだという事を誰に見せるものでもないけれど、そっと密かに書き記しておこうと思ったのだった──





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