時間があったので久しぶりにあの場所にやって来た。

あの場所──とは勿論、姫様を見つけた竹林だ。

あの時は暗くてよく解らなかったけれど、其処は背の高い草の他にも竹が自生している竹林だったのだ。



(確か…この辺だったと)

記憶を頼りに奥へ分け入って行く。


姫様が乗って来たであろういわゆる【ロケット】はほぼ俺の背丈と同じ位の高さの細長い形。

本当に人がひとり立って乗れる感じの省エネタイプのロケットだった。

其のロケットを俺は辺り一面にあった落ち葉で隠していた。

こんな辺鄙な場所に来る人などはいないと思うし、万が一見つけても不法投棄だと思って近づかないと思った。

(まぁ役所の人間とかに見つかったら話は変わるけど)

其の辺の焦りを感じ、確認する意味も込めてずっと様子を見に来たいと思っていた。





「あ」

目印にと自分の派手なハンカチを括り付けていた樹を見つけて駆け寄った。

「あった、確かこの樹の根元付近に」

そう思い少しこんもりしている落ち葉を払い目的の物を探した。


「えっ」

目的の物は見つかった。

見つかった、のだが──

「…な、なんで」

其処にあったロケットは最初に観た時よりも半分以下に縮んでいた。

勿論もう人が乗れるほどの大きさじゃない。

幼稚園児でも窮屈なくらいに小さくなっていたのだ。


「なんで、どうして」

ロケットはすっかり軽くなっていて、俺でも両手で持ち上げる事が出来ていた。

(…こんなに小さくなってはもうこれに乗れないんじゃないか?)

所詮地球外生命体の作った代物。

俺に原理とか仕組みとかが解るはずがないのだけれど…

どうしてもこの謎の物体の正体が知りたくなってしまった。

とりあえず車で持って帰れそうだと思った俺は其れを担いで元来た道を戻ろうと思ったのだった。



竹林奥からロケットを運んで道を歩いている途中で、誤って窪みに足を取られた。

「わっ!」

バランスを崩してよろめいた拍子に持っていたロケットを落としてしまった。

ガンッと強い衝撃が加わった事が解る音に冷汗が出た。

「ちょ、こ、壊れていないだろうね」

俺は慌ててロケットを持ち上げようと傍に寄った──瞬間

「え」

いきなりロケットが光り出して、少しずつ形を変えていっているのが解った。

「…」

其の光景を俺はただ茫然と見ているしかなかった。

放っている光が無害か有害か解らない状態では安易に近寄れなかったからだ。

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