「ただいま」

数日前から独り暮らしのマンションにこういう挨拶をして帰って来るのが習慣になっていた。

「キリ、おかェり」
「…」

にっこりと柔らかな笑みを浮かべて俺を出迎えてくれる姫様にいつも心が温かくなる。

そして

「アっ」
「姫様…」
其の姿を見るとどうにも自制が効かずに、思うままに姫様を求めてしまう。

「キ、キリ…」
「んっ、ん」
姫様の真っ白な肌にねっとりと舌を這わせて、赤い花びらを散らしていく。

「あっ…ア!」
「はぁ…あ、あっ」
愛撫もそこそこに昂っている自身を濡れそぼっている姫様の秘所にグッと挿入れる。

ぬっぬっと出し入れをする度にねっとり擦れる粘着質の音が響く。

「ふぁ…あッ、アっ」
「…」

もう何度…こうやって姫様を抱いて来ただろう。

何度姫様の中に俺の精液を流し込んだだろう。

──俺は試しているのか

宇宙人である姫様は俺の子を身ごもるのかどうか?

(あぁ…なんか…毎日が色鮮やかだ)

今まで生きて来てこんなに毎日が愉しいと思った事なんてなかったなと、姫様と暮らす様になってから思い知った俺だったのだ。







「…」

わらわの掌よりも大きなガラス瓶を軽く振るとカサカサと音を立てた。

中には少しだけ貯まった薬が入っている。


国内で謎の奇病が蔓延し、治す手段の見つからない中どんどん民は死に追いやられていた。

国家の一大事としてありとあらゆる情報をかき集め、遠く離れた辺境の惑星・チキウという星にどんな万病をも治してしまう【コーセェブッシッ】という薬があるという事を突き止めた。

其れを手に入れればこの未曾有の滅亡危機は避けられると…

わらわを筆頭に数名の研究員らは希望の光を見出したのだ。

そして医師でもあり科学者でもあったわらわの第一側近のルオータがチキゥへ行くための道標を立ててくれた。

セフリド国の命運を姫であるわらわに託し、遠く離れたこの地球に送り出してくれたのだ。

(…ルオータ)

仄かに恋心を抱いていた。

小さな時から常にわらわの傍にいてくれた愛おしい男。

だけど決して結ばれる事はない男。

セフリド国の姫として、わらわには其れ相応の身分の男が夫として用意されていた。

一度も見た事がない男と婚姻させられる運命の中で突然起きたこの大災害。

これはわらわにとってよい事だったのか?

いいや!

国が滅亡の危機に瀕している状況でよい事などと思ってはいけない。


「…ハぁ」
「どうしたの、姫様」
「ア」

急に後ろから抱きしめられ首筋にチュッと口づけられた。

「…キリ」
「なんだか浮かない顔をしているね」
「アぁ…少し国の事を考えていテな…」
「…」

地球に来て最初に出会った人間。

彼は異星人ながらわらわと同じ人型で、セフリドの人間となんら変わりのない姿形をしていた。

其れはわらわを大いに安心させた。

しかも探し求めていた【コーセェブッシッ】をキリが持っていた事はまさに幸運の極みだった。

ただやはり幻の薬だけという事もあって国の民を救うほどに薬を集めるには骨が折れる。


「姫様」
「あ」

優しく押し倒され、わらわの胸を揉み始めたキリ。

(あぁ…またセックス…をするのだな)

薬を得る対価として求められるのはわらわの体。


「あ…アっ」

もう何度もキリに抱かれた。

初めこそ未知の体験で恐ろしくもあった行為だったが、今ではすっかり慣れてしまっているから恐ろしいなと思った。

わらわの体ひとつで民を救えるならば安いものだ。


(そう…ルオータじゃなければ誰だって同じ)


わらわの体を今更誰がどうしようとそんなのはもうどうでもいい事なのだった。

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