一年振りの田舎だった。

4年前に亡くなった祖父のお墓参りを済ませ、私たち家族は生前祖父が住んでいた家にやって来ていた。

「兄さん、久し振り」
「おぅ、元気だったか?」

住む人がいなくなった祖父の家は同じ町内に住む母の兄、つまり私にとっては伯父さんが管理していた。

「おっ、瑞生、大きくなったな」
「伯父さん、一年でそんなに変わらないでしょう?」
「いやいや、思春期の子どもは成長が著しい」
「著しいって…らしいなぁ」

大学卒のインテリな叔父との会話に思わず苦笑してしまう。

「瑞生ちゃん」
「あ」

後ろから声を掛けられ振り向くと伯父さんの息子の辰朗さんが立っていた。

「久しぶりだね、元気だった?」
「元気だよ。辰朗さんは?」
「見ての通り。相変わらずだよ」

にこにこしながら辰朗(タツロウ)さんは私の頭を撫でた。

8歳年上で大学生の辰朗さんは私のたったひとりのいとこだった。

ひとりっ子の私にとってはいとこというよりお兄さんという感じの存在だった。

「兄さん、前来た時に修理しなくちゃいけないって云っていた処、業者に見てもらった?」
「あぁ、其れでな当初思っていたよりも状態が悪いと云ってな──」

母は伯父と家の事について話し始めた。

父と辰朗さんは家の周りに蔓延っている雑草の手入れをし始め、何となく私は手持無沙汰になってしまった。

(草むしり、手伝った方がいいかな)

何となくそう思ったけれど、急に体が急かす様に動き始めた。

(あっ)

其れは四年前から私にとっては当たり前にある衝動だった。

(呼ばれてる、行かなきゃ)

そう思うと自然と私の脚は祖父の家を出て丘をグングンと登って行ったのだった。






「はぁはぁ…」

照りつける太陽の元を小走りに進んで来た。

やっと見慣れた池に辿り着くと、直ぐ淵にある大きな岩に腰を下ろしている人が目に入る。

「おぉ、来たな」
「…御池様」

私は呟く様に其の人の名前を呼ぶ。

四年前と姿形は変わらず、相変わらず艶めかしい顔をして私を見つめた。

「ミズキ、此方へ」

チョイチョイと手招きをされ私はおずおずと御池様の傍に寄って行った。

「あっ」

御池様の前まで行くと延ばされた細く白い腕から続く掌に私は囚われ、其のまま御池様の体にすっぽりと収まった。

「ふふっ、久しいな」
「は、はい」
「ん……よしよし、ちゃんと大きくなっているな」
「!」

いきなり御池様の掌が私の胸をモミモミと揉み解した。

「体つきも丸みを帯びて来たな」
「あ…っ、や、やぁ」

御池様に体中をやわやわと撫でられくすぐったい様なもどかしい様な気持ちになる。

「厭ではないだろう?これしきの事で」
「~~~」

確かに御池様の云う通り厭、ではなかった。

これくらいの事はもう何度もされて来たから。


ただただ純粋に恥ずかしくて…


いつもの私じゃなくなりそうで怖かったのだった。

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